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山本太郎氏も窮地、大西氏「命の選別」発言の余波―山本氏は今、何をすべきか?

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              山本太郎公式ウェブサイトより

 れいわ新選組から昨夏の参院選(比例)に立候補し、今後の国政選挙の立候補予定者でもある大西つねき氏の発言が炎上、党の代表でもある山本太郎氏にも批判が及ぶ状況となっている。大西氏の発言への対応を誤れば、「山本太郎」という政治家の基盤すらも揺るぎかねない。


 発端となったのは、大西氏が自身のYoutubeチャンネルの中での「命の選別」という発言。その核心部分を引用しよう。

 

「どこまで高齢者をちょっとでも長生きさせるために、子供たち、若者たちの時間を使うのかっていうことは、真剣に議論する必要があると思います。こういう話多分、政治家怖くてできないと思うんですよ。『命の選別をするのか』とか言われるでしょ?命、選別しないとダメだと思いますよ。はっきり言いますけど。なんでかというと、その選択が政治なんですよ。選択しないでみんなに良いこと言っていても、多分、現実問題として無理なんですよ。そういったことも含めて、順番として。これ順番として選択するんであればもちろん、その、高齢の方から逝ってもらうしかないです」(大西氏の動画より*現在は非公開)

 

  この発言に対し、ツイッターでは「優生思想」「ナチスと一緒」と批判が殺到。作家の雨宮処凛さんも「大西つねきさんの発言にはただただ言葉を失いました。大西さんにはぜひ、相模原事件から3日後に書いたこの原稿を読んでほしいです」とツイートした。

 

 

 

  既に批判は出尽くした感があるが、筆者からも一言だけ言わせてもらえば、本来、政治というものは、「弱肉強食」の殺伐とした世界では、踏みにじられ、殺されてしまうような人々の基本的人権が尊重され、彼らの生存権を守ることにこそ、その意味があるのではないか。そのような観点から、ナチズム的な優生思想を政治に持ち込むような人物は、政治から離れるべきであろう。少なくとも、今後のれいわ新選組の公認候補からは外すべきではないか。

 

 批判を受け、れいわ新選組の代表の山本太郎氏も、同党のサイトで釈明。「大西つねき氏の動画内での発言は、れいわ新選組の立党の精神と反するもので看過することはできない」としながらも、「一方でそのことによって、大西氏を除名するという判断はこちらにとっても簡単なことではあるが、それでは根本的な解決にはならない」と、大西氏に「生命尊重の立場から、取り組んでいらっしゃる方々」にレクチャーを受けさせた上で、チャンスを与えるとの見解を示した。

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 この山本氏の投稿も批判を呼ぶことになった。政治学者の中野晃一さんは、「これはない。『チャンス』『アジャスト』って小池百合子じゃないんだから。ここでちゃんとできないのはダメでしょ、普段言ってることとの整合性が問われる」とツイート。

  

 作家の盛田隆二さんも「あまりにも身内に甘すぎる。かつ謝罪の言葉がない」とバッサリ。

 

 

  その後、山本氏は「大西氏への最終的な処分に関しては、党の意思決定の場である総会において行います」と、続報をれいわ新選組のサイト上に掲載した。また、大西氏も自身のサイト上で、今回の発言について謝罪と撤回をしている。

 

www.tsune0024.jp

 元金融為替ディーラーである大西氏の持論は、積極的な財政出動を行い、それを国民のために使うべきというもの。その彼が、今回のような発言をしてしまったことは非常に残念なことであるし、これまでの主張は何だったのか、と首を傾げたくなる。

www.tsune0024.jp

 いずれにせよ、今回の発言の責任をとるならば、大西氏は最低でも一旦、れいわ新選組の候補から身を引くべきであろう。その上で、大西氏の持論である経済政策を訴え続ければ良いのではないか。

 

 また、山本氏は「困っている人を助けたい」という信念が、彼の政治活動の中核にあり、それゆえ熱狂的な支持者を集めている。筆者も山本氏には好感を持ってきたが、今回の大西氏の「命の選別」発言は、山本氏の政治家としてのアイデンティティーに反するものであり、本件への対応次第では、「山本太郎」という政治家の基盤すらも揺るぎかねない。悠長なことを言っているような問題ではなく、大西氏については、きっちりとケジメをつけさせるべきであるし、山本氏も党代表として、謝罪すべきであろう。筆者は、山本氏は、批判に対しても聞く耳を持つ誠実さがあると思う。今回の件は、山本氏の支持者の間でも困惑や反感が少なからずあるので、是非、熟慮していただきたい。

 

 さて、問題はそうこうしている間にも、今、まさに九州や中部地方で、未曾有の大雨による水害によって多くの人々が苦しんでいるということだ。大西氏への対応を速やかにかつ、適切に行うと同時に、「困っている人を助けたい」という山本氏の政治信念からするならば、筆者としては、被災者支援のため、与野党や官僚機構に働きかけ、一人でも多くの人々を救済すべく、身を粉にすることを山本氏に期待したい。災害のようなに状況にこそ、社会的な弱者が最も苦しむことになる。そのような時こそ、政治が必要だ。

(了)

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