九州、特に熊本の大雨が凄まじい。被災された方々の状況を思うと、何ともいたたまれない。
こんな時に何だが、いやこんな時だからこそだが、気象庁も認めているファクトとして「気温が1度上がるごとに、雨量が7%増加する」というものがある。雨を降らす雲をつくる水蒸気は、海面から蒸発したもの。気温が上がればそれだけ多くの水蒸気が発生することは、当然だ。2018年の西日本豪雨も、温暖化の影響で雨量が増したとの分析を、気象庁は昨年7月にまとめている。温暖化の脅威は最早、遠い未来のことではなく、今そこにある危機だ。
さて、明日は都知事選であるが、志葉以外のメディア関係者で、都知事選のテーマとして温暖化対策に着目している者がほとんどいないというのも、本当に嘆かわしい。
本来、メディアその時のホットなトピックを追いかけるだけでなく、中長期的な視点から、本当に論じられるべき重要テーマを視聴者や読者の投げかけていくことも、その重要な役割ではないのか。
相変わらず気候危機に関する選挙公約に全く触れられていない。候補者が具体的な公約を掲げていないのかもしれないけど、メディアがスルーしちゃダメでしょ…。⇒ 都知事選、誰に投票すればいい? 主要候補者5人の公約を比較してみると...。立候補者一覧も掲載|ハフポスト https://t.co/fOJhYbCbmK
— 気候変動の向こう側 #StayHome (@Beyond_Climate) 2020年6月30日
世界を取り巻く状況が年を追うごとに深刻となっているのにもかかわらず、特に日本においては、本来、人々の知る権利を保障し、啓蒙するべき立場のメディア関係者の意識はアップデートされず、むしろますます劣化しているようにすら思える(無論、例外はあるし、理想に燃え、健闘しているメディア関係者も少なくはないにせよ)。
今や、メディア人は、単なる「ブン屋」「テレビ屋」では務まらない。ローカルとグローバル、今、そして未来、俯瞰と地を這うような視点で、人々のため、社会のため、何ができるのかを考え続け、それを行動で示すべきなのだ。よく、「我々はサラリーマンですから」という自嘲を大手メディア関係者からも聞くが、言い訳はいらない。必要なのは、己の使命を理解し、実行していくジャーナリストだ。