ドロフィエワさんのインスタより https://www.instagram.com/p/CaW5OG2gfHq/
プーチン大統領の決定により、今月２４日から開始されたウクライナへのロシア軍の進行。ウクライナ東部や南部、首都キーウ（キエフ）周辺への攻撃が行なわれ、まるでウクライナという国自体を攻め滅ぼさんばかりだ。だが、ウクライナとロシアは元々、言語も文化も近く、ウクライナ出身のポップスターが、ロシアでも活躍するということは、少なくとも2014年のロシアによるクリミア半島併合以前は珍しくなかった。だからこそ、ウクライナ人の中には、ロシア人の良心に訴えかける人もいる。ウクライナ出身の人気歌手ナージャ・ドロフィエワさんは、ロシア軍の侵攻の翌日、自身のインスタグラムなどで、「ロシアのファンの皆さん、一緒に戦争を止めましょう」と呼びかけた。
ドロフィエワさんは、クリミア半島の都市シンフェロポリの出身で、ロシア首都のモスクワでも生活していた時期がある。10代の頃から、ウクライナのショービズ界で活躍し、ポップデュオ「ブレミャー・イ・スチェークロ」でヒット曲を連発、ウクライナのみならずロシアでもツアーを行なってきた。その後、ドロフィエワさんはソロ活動も開始、2020年に公開した曲「gorit」のYouTubeでの再生回数は7700万回を越えている。
＊2月27日現在、ドロフィエワさんのYouTubeチャンネルの動画は視聴できなくなっており、ロシアの視聴者に向けたドロフィエワさん含むウクライナ人歌手達のコラボ曲のみが公開されている。
現在はキーウ在住のドロフィエワさんは、今月25日、自身のインスタグラム(フォロワー約513万人)やフェイスブックなどのSNSに、乱れた髪に泣きはらした顔の写真を投稿（本記事のトップ画像）。「私はこれまで、観客の皆さんを国で分けたりはしませんでしたが…今はロシアの友人、ファンの皆さんに願いを聞いてほしいです。一緒にこの戦争を止めましょう！私はそれができると信じています」と呼びかけた。
ドロフィエワさんの投稿に、ロシア人のファン達も「私達はあなたと一緒です」「戦争反対」等とのコメントと共にハートを挟んで並ぶウクライナ国旗とロシア国旗のマークを次々に投稿している。
ロシアでは、言論の自由が厳しく統制されているが、逮捕されるリスクにもかかわらず、各地で反戦デモを行なわれ、スケート元世界ランキングトップ選手のエフゲニア・メドベージェワさんなどの著名人達も反戦を訴えている。時事通信が、ウクライナのNGOに行なったインタビューでは、国際社会ができることとして、"各国指導者が直接ロシア国民に向けて、「あなた方は敵ではない。犯罪的な戦争をしているのはあなたの政府だ」とメッセージを発すること"があるという。
www.jiji.com これは、指導者のみならず、著名人や一般市民もできることで、ドロフィエワさんが発したメッセージは、正にロシアの人々の良心に訴えている。私達、日本の市民も、ロシア市民へ「一緒に戦争を止めよう」と呼びかけること＊が大切なのかもしれない。
（了）
＊ ロシア語での「戦争反対」にハッシュタグをつけ（ #нетвойне）、SNSに投稿することで、ロシアの人々にアピ－ルすることができる。
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