志葉玲タイムス

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【今日の一言】北朝鮮のミサイルが飛んでもゴルフー安倍首相の「危機管理」問うメディアの愚 

 

mainichi.jp

   先週25日、また北朝鮮が「飛翔体」とやらを発射したらしい。そして、「安全に影響はない」と安倍首相は呑気にゴルフを続けたという。これに対して、毎日新聞は「危機管理が問われる」との記事を配信したが、むしろ今までが騒ぎ過ぎであったのだ。

 確かに、ちょっと前ならば、メディアは「飛翔体」という表記ではなく、「弾道ミサイル」という表記であっただろう、安倍政権は緊急の会見を開き、物々しさを演出しただろう。例えば、2016年の2月、北朝鮮が「事実上の長距離ミサイル」を発射した時はどうであったか。日本のテレビ、特にNHKは予定していた番組を中断し、沖縄への迎撃ミサイルPAC3の配備などの関連ニュースを延々と報道していた。北朝鮮が2017年9月に弾道ミサイルを発射した際も、日本ではJアラートが発令され、ミサイルパニックとなったし、安倍政権は総理官邸地下にある、危機管理センターに関係省庁の幹部を緊急招集して、会議を行っていた…のだが、今回はゴルフ。随分と対応が違うものである。

 要は、米国のトランプ大統領が北朝鮮・金正恩委員長との首脳会談を実現させ、対話ムードになっている中、変に騒ぐことはしないよう、安倍政権もメディアも米国へ「忖度」しているのだろう。

 そもそも日本側が勝手にパニックになっても、はっきり言って北朝鮮側は、日本など相手にしていなかった。それは、これまでの「事実上の長距離ミサイル」が、大陸間弾道ミサイル開発の一環、つまりその標的は日本ではなく、米国であったことからも明らかだ。北朝鮮の行動原理は、金家による独裁体制の維持、これにつきる。その独裁体制を崩壊させる軍事力を持ち、そして実際にそれを行いうるのは、米国である。日本の自衛隊の攻撃力もなかなかのものだが、現時点で日本が北朝鮮に単独で先制攻撃をしかけ、体制を崩壊させることは現実的ではない。だから、脅威として米国ことは非常に意識してきたが、日本はそうでもなかった。

 安倍政権がそうであったように、北朝鮮の脅威を自民党はこれまでも何度も利用してきた。イラク戦争の支持・支援や、安保法制の論議のなかでもそうした「北朝鮮の脅威」が利用されてきたのである。安倍政権も「北朝鮮の脅威」を背景に、安保法制など憲法を蔑ろにする暴挙を繰り返し、米国産の兵器を爆買いしてきた。何より、安倍首相は北朝鮮という仮想敵を相手に、自身を「頼れる指導者」として演出してきたし、メディアもそれに加担してきたのである。

 だが、もうそうした茶番も成り立たなくなっただろう。何しろ、当の安倍首相自身が、北朝鮮そっちのけでゴルフである。安倍首相自身の首尾一貫性の無さも問題ではあるが、メディアが問うべきは、安倍政権が演出してきた「危機」を共に煽り、同政権を支えてきたのではないかという、自らの行いについてなのだ。

(了)

 

 



 
 

 

 



 

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