カワセミを撮影中の藍沙さん
藍沙さん撮影のカワセミ
中学生写真家・藍沙さんの個展を見た方々の感想として、結構あるのは「三脚なしの手持ちでよくこれ撮れますね」というもの。小柄な女の子が、大きな望遠レンズを振り回している姿が、やはり印象に残るようです。望遠レンズの場合、少しの手ブレでも写真に影響するので、カメラマンの多くが三脚を使うのですが、藍沙さんは「機動力重視」で、基本、三脚を使いません。彼女の師匠で、シマエナガの写真集で有名な動物写真家・小原玲さんの撮影スタイルの影響も大きいのかもしれません。自由度の高い手持ち撮影のため、例えば、高い木の枝から地面に降りてきた小鳥の目線に合わせた撮影への移行も素早くできるというわけです。
その藍沙さん、同級生の子達に比べ握力が倍以上あるらしいです。腕相撲でも学校の女子の中では最強なのだそう。その筋力で手ブレを軽減しているわけです。また、一眼レフに比べ、ボディ本体が軽いミラーレス一眼を使っていることや、使用している超望遠レンズ「フジノンレンズ XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」が、この種の超望遠ズームレンズとしては、比較的軽いということも、手持ち撮影を可能にしているようです。
少々マニアックな話になるのですが、藍沙さんの撮影スタイルのユニークさは手持ちだけではありません。藍沙さんはAF(オートフォーカス)を使わずに、マニュアルモード&AFロックという撮り方を多用します(これも師匠の小原さんから教わったもの)。最近のカメラのAFは基本的には非常に高性能なのですが、背景が空だったり、木の枝や葉っぱが多かったりするような撮影環境だと、うまくピントが被写体に合わず、AFが迷うということが結構あるのです。シャッターチャンスは一瞬で、AFが迷っている間に、逃してしまうこともしばしば。
なので、藍沙さんは、マニュアルモードで被写体を追い、タイミング良くAFロックボタンを押してピントを合わせて撮っているのですが、それを高速で動くカワセミやチョウゲンボウ(ハヤブサの一種)相手にやっているんですよね。つまり、優れた動体視力や反射神経、素早くかつ精密なカメラ操作が必要なわけです。しかも、ピントをファインダーの中央ではなく、少しずらした位置にするそう。「鳥の目にピント合わせたいし、構図を考えて、そうしてる」(本人談)。
まあ、一言で言うとすごいです。
藍沙さん撮影ジョウビタキ
【写真家たちの新しい物語】 藍沙写真展「東京の野鳥たち」
fujifilmsquare.jp期間: 2020年8月7日(金)~ 8月 27日(木)
午前10時~午後7時(最終日午後4時まで・入館終了10分前まで)
会場: 富士フイルムフォトサロン 東京 スペース3
〒107-0052東京都港区赤坂9-7-3 フジフイルム スクエア内 入場無料・会期中無休
来場特典: 夏休み自由研究【身近な鳥のふしぎ】会期中、お持ち帰りいただける「自由研究用リーフレット」をご用意して います。(小・中学生向け・無料配布)
主催: 富士フイルム株式会社
後援: 株式会社日本写真企画
藍沙さんのポストカードも通販しています。
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