イランが、隣国イラクにある米軍基地へロケット弾(注:ロケット弾ではなく弾道ミサイルとの報道も)を撃ち込み始めました。一方、米軍もイラク国内の親イラン勢力を空爆。Yahoo!ニュースにコメントしました。
news.yahoo.co.jp以下、リンク先より。
案の定、米国もイランも、イラクを代理戦争の舞台に。現在、イランが米国本土を直接攻撃する手段はほとんどないため、報復となると、ロケット弾や短・中距離弾道ミサイルで、周辺国にある米軍基地を攻撃する以外にあまり選択肢がないのでしょうが。
2003年のイラク戦争開戦以降、さんざん戦禍に苦しみ、イスラム国の台頭、その掃討作戦で深く傷ついたイラクの人々や社会にさらなる打撃。本当に愚かなことです。イラクの人々も「戦争をやるなら、自分達で勝手にやってくれ。イラクを巻き込むな」と憤っています。イラクからの米軍基地撤退を求める声も高まっており、議会も撤退を要請しています。
オバマの実績が気に食わない、弾劾から目をそらさせる、イスラエルびいき、大統領再選のためのキリスト教右派やユダヤ教右派団体の支持を得るため、とトランプ大統領の対イラン政策は、外交・軍事の私物化であり、米国の利益ですらありません。
イランは、米国による対イラン攻撃に関わる国々へ「反撃する」と警告。これは日本も例外ではないでしょう。この点についても、Yahoo!ニュースにコメントしました。
news.yahoo.co.jp以下、リンク先より。
海自の中東への派遣もそうですが、より深刻なのは沖縄等の在日米軍基地が対イラン攻撃に使われた場合です。そうなれば、イランがホルムズ海峡等、中東周辺海域で日本の船舶へ攻撃してくる恐れもあります。
イラク戦争では、在沖海兵隊がイラクへ出撃、最激戦地ファルージャでの戦闘に参加。その結果、夥しい数の現地市民が殺されました。同様のことが、対イラン攻撃でも行われる可能性は高く、イラン側には、日本語を解する人材が相当数いるでしょうから、在日米軍の動向もチェックされ、結果、日本へのリスクとなる恐れがあります。
本来、日米安保条約では、在日米軍基地は極東、つまり日本のごく近い周辺のみでの活動のためにあるとされ、中東での戦争のための活用は条約違反です。日本としては、戦争に加担しないことは勿論、余計なリスクが生じないよう、米国に対し、日米安保条約の遵守など、言うべきことはしっかりと言っていくべきでしょう。