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【悲報】日本の司法、香港にはるかに劣るーマスク禁止覆した香港高裁、法を捻じ曲げた福岡高裁

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辺野古新基地建設に反対し座り込む人々と排除しようとする機動隊

 香港政府が中国中央政府の支配下にあることは誰の目にも明らかではあるが、その香港にあってなお、裁判官達は「司法権の独立」を守る気概を見せた。一方、民主主義国家であるはずの日本では、裁判官達が露骨に安倍政権へ忖度。三権分立を自ら投げ捨てている。

 ◯司法権の独立を守った香港高裁

 民主化を求める人々のデモとそれに対する当局の弾圧が繰り返されている香港。先月、香港政府は、議会を通さず法律を施行できる緊急状況規則条例を発動。デモ参加者達が、マスク等で顔を隠すことを禁じる「マスク禁止法」を施行した。ところが、香港の高等法院(香港高裁)は、このマスク禁止法について「香港政府が基本的人権に対して課した制限は、合理的に必要な範囲を超えている」として、香港の憲法にあたる香港基本法に反するとの判断を示したのだ。それにより、香港政府もマスク禁止でデモ参加者を取り締まることができなくなった*。
*中国で立法を担う全国人民代表大会は、香港高裁の判断を否定。

  現在の香港当局による民主化デモ弾圧が習近平国家主席の意向であるのは明らかで、それでもなお、基本的人権を守るべきとの判断を示した、香港高裁の裁判官達の勇気、自らの職務への自負は、称賛すべきものだろう。 

 

◯日本では国の「法の濫用」を裁判所が支援

 翻って、日本の裁判官達はどうだ。ただひたすら安倍政権に忖度し、法そのものをないがしろにしている。福岡高裁那覇支部は先月23日、沖縄県が辺野古新基地建設阻止のため国を相手に起こした訴訟で、一方的に国の主張を認める判決を出した。これは本当にめちゃくちゃだ。

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 この裁判で大きな争点となったのは、防衛省の地方防衛局である沖縄防衛局が「私人」であるかどうか。沖縄県が辺野古米軍新基地の建設をめぐり、県として埋め立て承認撤回したことに対し、本来、国民(私人)の権利救済を目的としている行政不服審査法を使い、沖縄防衛局が「私人」として昨年10月に審査請求。石井啓一国交相(当時)が今年4月それをもとに、辺野古埋め立てを認める採決をしたことだ。

 どう考えても、国の機関の一部である沖縄防衛局が私人であるわけがなく、それをもとに国が沖縄県の埋め立て承認撤回を覆すことは、おかしいのであるが、福岡高裁那覇支部の大久保正道裁判長は「訴訟の対象になり得ない」と述べ、沖縄県の訴えを却下したのだ。

 ◯日本の司法権の独立は、香港のそれに劣る

www.okinawatimes.co.jp  沖縄防衛局が「私人」として、行政不服審査法を使ったことについては、行政法研究者110人が、「国民のための権利救済制度である行政不服審査制度を乱用するものであり、法治国家にもとるものといわざるを得ない」と批判する声明を発表している。国の「法の濫用」にお墨付きを与えた福岡高裁那覇支部の大久保裁判長の判断は、日本の司法制度自体を揺るがすものだ。沖縄の地方紙「琉球新報」は、その社説(今年10月24日付け)で、

「裁判官が時の権力におもねるような判断ばかりを示すならば、司法に対する信頼は失墜する。裁判官は良心に従い職権を行使する独立した存在であることを改めて強調しておきたい」と指摘した。

 大久保裁判長は、香港高裁の裁判官達の爪の垢を煎じて飲むべきだろう。そして、日本の司法界全体もこうした暴挙を許してよいのか、真剣に問うべきであろう。
(了)

 

 

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