国連気候行動サミットでの、スェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16歳)のスピーチは、鬼気迫る見事なものだった(セクシーポエマー進次郎とは大違い)。温暖化対策に本腰でない政治家を、未来の世代を代表して、叱りつける。志葉も大人の一人として、気が引き締まった。
で、予想はしていたものの、日本での反応、とりわけネットでの反応は酷いものだね。やれ、「子どもを活動に利用するな」だの、「バックにどんな組織があるんだ」だの。
志葉が記事に書いたように、#トゥンベリさん は、昨年夏たった一人で国会前で座り込みを始め、それがメディアで報じられたことで、世界各国の子どもや若者達が、温暖化防止を求めて声をあげるようになったという経緯がある。トゥンベリさんは自分の意志で座り込みを始めたし、国連での演説も、 トゥンベリさん一人の声ではなく、それは世界150カ国で路上に出て訴えた数百万人の子ども・若者達の声でもある。
news.yahoo.co.jpそうした経緯、世界の潮流を知らない日本のオッサンやジイサン達が、謎の上から目線で的外れな論評をしているのは、醜悪そのものだ。要は、女・子どもが自己主張しているのが気に食わないっていうのと、1980年代サブカル的な、正義や善というものに対し捻くれたことをいうことが「カッコイイ」というような、カビが生えた時代遅れの感覚に酔っているだけ、ということなのだろうね。本当に醜悪。
「言っていることはわからなくもないが、言葉使いが良くない」という批判も多い。だが、筆者はむしろトゥンベリさんは理性的に訴えたと思う。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の報告書によれば、温暖化は既にかなり進行してしまっており、2050年までには、温室効果ガスの排出を積極的に減らしたとしても、これまで100年に一度とされてきた規模の災害に毎年見舞われるようになると予測されている(関連情報)。当然、温暖化対策を行わければ事態はさらに酷いものとなる。こうした時代をトゥンベリさんや、未来の世代が生き抜かないといけないことを考えれば、現在、悠長にかまえている政治家達に対し、「何故、貴方達のツケを私達が払わなければならないのか?私達のかわりに貴方達がくたばれ」とキレてもおかしくないくらいだ。
もう一つ見過ごせないのは、温暖化懐疑論を信じる人々による陰謀説だ。「#地球温暖化詐欺」的なアレ。要は、地球温暖化は脱炭素ビジネスのためのキャンペーンで、トゥンベリさんは米国議会で「イラク軍の蛮行」を訴え湾岸戦争を正当化させた「クウェートの少女ナイラ」のような役割だと。全く、何を根拠に、そんなデマを言えるのだろうね???
志葉配信の温暖化懐疑論についてのファクトチェック記事↓
news.yahoo.co.jp温暖化懐疑論を支持する人々は、よく「温暖化はグローバル資本によるウソ、陰謀だ」というわけなんだが、温暖化懐疑論を広めたのは石油・石炭ロビー。温暖化を促進させているのは、石油・石炭事業に膨大な資金を投資する機関投資家、つまりグローバル資本だよ。アマゾンや東南アジアの貴重な熱帯雨林を焼きまくっているのも、グローバルなアグリビジネス。でも、なぜか陰謀論好きな人々は、こういう現実を直視しない。
温暖化懐疑論を支持する人々には、脱原発派も少なからずいるわけなんだが、これは何度も言っているけど、温暖化防止と脱原発は矛盾しない。省エネ・自然エネルギー推進で良いし、経済的合理性もある。
news.yahoo.co.jpだから、事実にちゃんと確認しないで、デマを拡散したり、まして、トゥンベリさんへの誹謗中傷は止めるべきだよ。本当に。
(了)